母黌が創立140周年を迎えるに際し、同窓会ではプロジェクトチームを立ち上げ、広く企画案を募集し、厳選された五つの記念事業を実施しました。この場をお借りしまして、ご報告しますとともに、ご協力をいただいた皆様に改めて御礼を申し上げます。
今回のプロジェクトの最大の成果は、次に記載する1と2の事業が同窓生の寄付により実現できたということです。母黌愛溢れる済々黌の同窓生ならではのことと、大変誇らしく思います。同窓会では、志にお応えするために、記念のプレート(A4判)を作成し、それぞれに贈呈すると共に、別途ご寄付者一覧の名簿を記載したプレート(A2判)を多士会館に掲げ顕彰いたしております。
今後も事業を実施するうえで、先例となることを期待しています。

1.済々黌施設整備関係(桜の植樹)
21年に命名権付で同窓生に募り、当選された20の個人・団体の方々からご寄付をいただき実施しました。翌22年2月17日、母黌グラウンド南側にて、ご寄付を頂いた個人・団体の代表者のご参加を得、植樹式を開催。当日は、神主の宮崎さん(昭和39年卒)と國友さん(平成11年卒)にお願いし、多士会館にて「同心学舎改修及び周辺整備」と併せ2事業の合同式典(神事)も行いました。今回植樹した桜は高さが約3m。今後毎年、花が咲く頃には、命名権者がグラウンドに現れることになりますが、現役生徒諸君には何卒寛容の心で接していただきたいとお願いする次第です。
なお、このために伐採を余儀なくされた銀杏の大木で記念品も作成しました。

2.済々黌施設整備関係(同心学舎改修及び周辺整備)
16の個人・団体からご寄付をいただき、22年の春休みに、整備工事を行いました(周辺整備は、忠烈之碑と行幸記念碑の修復、木々の剪定等)。5月14日には、ご寄付を頂いた方々のご参加を得、顕彰プレートの贈呈式を行い、その後、きれいに整備された同心学舎と周辺の記念碑等をご案内いたしました。皆さん、それぞれ在黌時に思いを馳せながらの散策となった様子でした。建物は使わないとすぐに傷んでしまいます。同心学舎の有効活用についてはぜひ学黌にてご検討いただきたいと希望します。

3.ウェブサイト黌辞苑の開設
140周年を迎えた済々黌では、同窓生も様々な資料や記録をお持ちのことと思います。これらを一元的に管理、整理し紹介する場を作ることができればと考え、その受け皿として「ウェブ版アーカイブス黌辞苑(序)」を作成しました。本格的なものは、150周年に譲ることから(序)とし、これから10年間かけて様々な資料の集積が行われることを期待しています。
(序)では、140年の間で三綱領の解釈がどのような変遷を辿ってきたのかに焦点を当て、第三者の視点で取材した読み物なども掲載しています。

4.元ウィーン・フィルのヴィオラ奏者マリオ・カルヴァン氏の演奏会
太田惠一郎先輩(S47年卒)からご縁をいただき実現しました。
カルヴァン氏は、熊本地震の後、ウィーン・フィル弦楽器奏者4名と共に来熊し県内各地でコンサートを行ったほか、「第1回熊本地震復興祈念コンサート」にも参加されています。今回は、同窓生から在黌生へのプレゼントとして、学校主催の記念式典(11月11日)での演奏会となりました。在黌生からは、最も心に残る催しとなったとの感想が聞かれました。また、翌日は学黌にもお招きし、弦楽部のメンバーへの公開レッスンも実現しました。

5.多士講座 宇宙飛行士山崎直子さんの講演会・富田宇宙さんとの対談も
23年2月4日に記念事業の最後の催しとして県立劇場で開催されました。一般来場者が400人を超え、試験期間中の生徒や他県からの来場者もありました。宇宙飛行士とパラリンピアンという異色の組み合わせでしたが、日々の充実した生活の積み重ねや、逆境の中でもあきらめずに希望の光を探し続けること、志を同じくする多くの支援者やチームがあって初めて目標が達成できることなど、それぞれの経験に裏付けられたお話には、相通じるものがあり、来場者からは多くの質問の手が上がり、時間を延長するほどの盛り上がりを見せました。

6.記念祝賀会開催
学黌主催の記念式典が開催された11月11日、18時からは、熊本ホテルキャッスルにて記念祝賀会を開催しました。コロナ禍のため参加者を絞り込まざるを得ませんでしたが、鶴山黌長他学黌関係者や県外の各地区同窓会の代表者等約300人の出席を得、旧交を温めました。

このように充実した記念事業を実施してもなお、幾ばくかの残預金が生じていますので、現在その有効活用について検討を進めています。遠からずご報告できればと思います。
さあ、新しい歩みの始まりです。世界がぜんたい幸福のうちに、母黌の150周年を迎えることができますよう祈念して、報告を終わります。感謝。

済々黌創立140周年記念事業実行プロジェクトチーム
PTリーダー成尾雅貴(S52年卒)